このお話は私の祖母が胃癌になった時のお話です。

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胃癌の祖母

このお話は私の祖母が胃癌になった時のお話です。


今でこそ、旅行や買い物で外にでてくれるようになった祖母ですが、退院直後は毎日「こがん身体ば切り刻んでから痛い目にあって生きとらんちゃよか」と悲観的な事ばかり言っていていました。


祖母は私が小学校3年生の時、胃癌が発覚し、市内の当時ガンの最先端技術を持っている病院へ入院する事になりました。


一週間に1回御見舞に行って見る祖母の姿は窶れて行って会いに行くのが辛く、この人は私の知ってるおばぉちゃんじゃないそんな言葉が頭の中をグルグル...きっとそれが態度に出てたんだろうね。


寂しそうな顔になってお母さんたちが「外で遊んでおいで」ってよく言ってた。


そんなことをしているうちに手術が終わり、暫くして面会に行くと全身チューブで繋がれてジャイアンみたいな体型だったおばあちゃんが、小学生の私でもお姫様抱っこ出来るくらいまでやせ細ってた....


こんなにまでなって、人間って生きなきゃいけないの?

 

その時はおばあちゃんには悪いけどそんなことを考えてた。


でも、きっと、私が思っていた以上におばあちゃんの方が辛かったんだよね。


手術前は人がいっぱいいる温泉も毎週のように通ってて、家のお風呂も毎日一緒に入ってたのに、手術後は、「切ったお腹を見られたくない」って外にも行かず、一緒にお風呂に入ることも無くなった。


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ご飯だって、沢山食べてたのに、子供茶碗に半分くらいで「もう、入らない」っていうんだよね。


そんな生活が当たり前になってきて6年、おばあちゃんのお腹の傷も目立たなくなってきて、温泉やってる知り合いが、この時間なら貸し切り状態で温泉入れるよって進めてくれた。


家族はおばあちゃんのお腹も見慣れてたから、すんなり「久しぶりの温泉だね。」つてみんなで笑った。


正直病気なんて、なりたくてなるわけじゃないけど、なる方はもちろん、周りも辛くなる。


それが大事な人であればあるほどに。

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