重度の糖尿病だったのです。

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静かに襲ってくる糖尿病

大学時代、音楽のサークルで一緒だった後輩の男の子は、最初は標準体型で、食べる量なども普通の量、なにも問題はありませんでした。


しかし、ストレスなのか、食べる量が年々異常に多くなったのです。


練習の前に、コンビニ弁当を一度に2つとか、飲み物もコーラなどの炭酸のジュースばかり。


そのうち、室内の温度のわりに、練習中に変な汗をかくようになりました。


少し驚いたのが、手渡しした物を落とすことが増え、みるみる肥満体に。


でも、若いと深刻な病気を疑わないのです。


全部《肥満で疲れやすいから》と思い込んでいたのです。


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少しして、今度は彼は変に痩せ始め、みんなが本気で心配し始めた頃、練習中に倒れました。


重度の糖尿病だったのです。


足の指も壊疽しかかっていて、楽器を吹く時に必要な手の指も、少し感覚がなくなっていたそうです。


しばらく彼は、飲むインスリンを持ち歩き、食事は病院指導の限られた食べ物を食べていました。


糖尿病は、完治することがないそうなので、ずっと通院と食事療法を続けていくのだそうです。


今彼は、普通の生活を取り戻していますが、私もサークルの仲間も、自分達にも責任があったのでは?と思っています。


彼が、階段を上がった後フラフラしていた、あの汗は今思えばおかしかった、なぜ私達は本人に言えなかったのでしょうか。


ある日、その後輩の言った、「病気かもと思ってたんです。でも、怖いから肥満のせいだと思いたかったんです。」この言葉、忘れられません。

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