8年前に亡くなった私の祖母は、認知症を患っていました。

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祖母の認知症がわかった瞬間

8年前に亡くなった私の祖母は、認知症を患っていました。


元々働き者の祖母は、昼間は小学校の給食のおばちゃんとして、夜中は新聞配達と、休む間を惜しむかのように長年二つの仕事に就いていました。


やがて、給食のおばちゃんの仕事は定年を迎え、夜中の新聞配達の仕事を続け、共働きの両親の代わりに、家事や私たち兄弟の面倒をみてくれていました。


しかし、ある年の冬、例年には無いほどの雪が降り積もり、オートバイでの新聞配達は危険だから休むようにとめた両親の話を聞かず、仕事中に事故を起こして足を怪我してしまいました。


それを機に、新聞配達の仕事を退職し、完全に家に引きこもるようになりました。


それから二、三ヶ月過ぎた頃、お昼ご飯を食べ終わり、片付けようとした時に、大皿に残った三品ほどのおかずを、全て一つの袋にまとめ始めたのです。


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ご飯粒一つでも捨てたことのない祖母が、そんな事をするなんて考えられず、ただただ、それをしている祖母の姿を見ていることしか出来ませんでした。


何かがおかしいと思いながらも、祖母は一見普通に変わりなかったので気にしませんでした。


しかし、その一件があった頃から食事を食べたことを忘れることがあったり、たまに下着を汚してしまうことがあったのだと、後から母に聞かされました。


今思えば、祖母の認知症はあの時から始まっていたんだと思いました。

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